父はすでに他界し、母に配偶者はいません。母が亡くなったときは子ども2人が相続人となり、この例では財産を半分ずつ相続します。

財産の設定自宅土地5,000万円・金融資産3,000万円

初めての方は、01から順にご覧ください。確認したい項目から読むこともできます。

01相続の分け方・税金相続税の計算や、分け方のポイント
目次

上から順に開くと、家族構成から分け方・税金のまとめまで、流れに沿って確認できます。必要な項目から読むこともできます。

この欄の前提・注意点

本文の条件に基づく説明です。税額は財産の評価や特例の適用で変わるため、個別の計算は税理士に確認します。

家族構成と財産

母から子ども2人への相続

父はすでに他界し、母に配偶者はいないため、母が亡くなったときは子ども2人が相続人になります。この例では、ほかの相続人はおらず、2人が半分ずつ相続します。

財産:自宅土地5,000万円・金融資産3,000万円、合計8,000万円。土地は相続税評価額です。

分け方:母の財産を、子ども2人がそれぞれ2分の1ずつ取得します。1人当たりの取得額は4,000万円です。

相続税の計算

母が亡くなったときの相続税

相続税の計算で財産額から差し引ける「基礎控除」は4,200万円。財産8,000万円から差し引いた3,800万円を、法律上の相続割合に沿って、子ども2人で半分ずつに分けて計算します。

1,900万円 × 15% − 50万円 = 235万円

子ども1人当たり235万円、2人で470万円です。

自宅土地のポイント

今回の試算のポイント

この計算では小規模宅地等の特例を使っていません。自宅土地の取得者や同居状況などによっては特例を使え、税額が変わる場合があります。

まとめ
相続税の合計470万円

自宅を誰が引き継ぎ、納税に使える預貯金をどう確保するかも考えます。母が子ども2人に残す遺言の文例は、③「遺言書の文例」で確認できます。

詳しい説明・注釈は、必要な項目を開いて確認できます。

試算の前提・適用条件

父はすでに他界し、母に配偶者はいません。そのため、母の相続人は子ども2人となり、この例では半分ずつ相続します。

母の財産は、土地5,000万円・金融資産3,000万円の合計8,000万円です。

※土地は相続税評価額です。以下は特例・税額控除を使わない簡易試算です。

相続税の計算の内訳
説明1を読む

子ども2人の場合、基礎控除は次のとおりです。

説明2を読む

3,000万円 + 600万円 × 2人 = 4,200万円

説明3を読む

財産8,000万円から基礎控除4,200万円を差し引くと、税金の計算対象は 3,800万円 です。

説明4を読む

計算対象の3,800万円を子ども2人で半分ずつにすると、1人当たり1,900万円。この金額に対応する税率15%と控除額50万円を使います。

説明5を読む

1,900万円 × 15% − 50万円 = 235万円

金額の比較表を見る
相続する人取得する財産相続税の目安
子どもA4,000万円235万円
子どもB4,000万円235万円
合計8,000万円470万円
特例の条件・注意点

※自宅土地の特例が使えると税額は変わります。適用条件や詳細は、下の注釈から確認できます。

特例の条件・注意点

土地5,000万円は「相続税評価額」とし、財産はすべてお母さまの所有とします。建物などの他の財産、借入金、葬式費用、生前贈与、各種特例・税額控除は含めない簡易計算です。

自宅土地の特例について

一定の要件を満たす場合、「小規模宅地等の特例」により、自宅の土地は330㎡まで評価額を80%減らせます。誰が相続するか、同居状況などによって適用の可否が変わります。

相続の準備では、財産の金額だけでなく、「誰が自宅を引き継ぐか」「納税に使える預貯金があるか」も一緒に整理しておくことが大切です。

※一般的な制度を説明するための試算です。実際の税額や特例の適用については、税理士への確認が必要です。

出典・参考資料

制度確認日:2026年11月4日
出典:国税庁

計算の前提・注意点

※特例・税額控除を使わない簡易試算です。ほかの財産・債務等は含めず、適用条件や財産評価によって税額は変わります。

02相続手続きの流れ財産目録・必要書類・名義変更
目次

上から順に開いて、相続人の確認から名義変更・税金までの流れをご覧ください。実際の手続きは、期限を確認しながら並行して進める場合もあります。

この欄の前提・注意点

必要な書類と期限は、手続先ごとに確認します。父と母の相続がある場合は、別々の手続きです。

母の相続を、子ども2人で進める。まず①から順に開いて、手続きの全体像をご確認ください。確認したい項目から読むこともできます。

亡くなった人:母

相続人:子どもA・子どもB

財産:土地5,000万円・金融資産3,000万円

目次は手続きの流れに沿って並んでいます。ただし、相続放棄など期限のある手続きもあるため、⑥の期限は先に確認しましょう。実際には複数の手続きを並行して進める場合があります。

① 遺言書を探す・内容を確認する

遺言書の有無と内容を確認します。

遺言書を探す場所・確認事項

自宅・貸金庫等の保管場所や、公正証書遺言・法務局保管の自筆証書遺言の有無を確認します。見つかったら、作成日、受取人、対象財産、遺言執行者の指定を読み取ります。

検認・封印のある遺言書

家庭裁判所の検認が必要な自筆証書遺言もあります。封印のある遺言書は家庭裁判所で相続人等の立会いの下に開封します。公正証書遺言と法務局保管の自筆証書遺言は検認不要です。

このケースの文例へ
② 財産を受け継ぐ人を確認する

戸籍で、相続人になる人を確認します。

このケースの相続人

父はすでに他界し、母に配偶者はいない設定です。そのため母の相続人となる子ども2人を、戸籍で確認します。

集める戸籍の種類

基本資料は、亡くなった人の出生から死亡までの戸籍・除籍・改製原戸籍と、相続人の現在の戸籍などです。兄弟姉妹が相続する例では、ほかにも戸籍が必要になります。

相続人一覧と法定相続情報

氏名・続柄・生年月日・住所・連絡先を一覧にし、手続先で必要な証明書類を確認します。法定相続情報一覧図の写しを利用できる場合もあります。

③ 財産の一覧表(財産目録)の書き方・記載例

記載例と、財産の種類ごとの書き方を確認できます。

財産目録の記載例を見る

財産目録の整理例([ ]は実際の情報に置き換えます)

亡くなった人:[氏名] 死亡日:[年月日]
作成日:[年月日] 確認した人:[氏名]

財産特定する情報事例の金額
自宅の土地[所在・地番・地目・地積・持分]5,000万円
金融資産[金融機関等ごとに明細を記載]合計3,000万円
預貯金・株式等の書き方

預貯金は、口座ごとに「[銀行名][支店名]/普通預金/口座番号[番号]/名義[氏名]/死亡日残高[円]」のように記録します。株式・投資信託は証券会社・銘柄・数量・評価額を別明細にします。

借入金・未払金・保険の確認

借入金・未払金・保証債務も別欄で確認します。「借入先[名称]/死亡日残高[円]/確認資料[残高証明書等]」と記載し、葬式費用の領収書も保管します。保険は受取人等を確認し、遺産と区別して一覧にします。

価額・評価基準日・確認資料

表の金額は各コラムの設定額です。実際には「価額の種類(相続税評価額・時価等)」「評価基準日」「確認資料」も記録します。財産を特定する情報と評価額は区別します。

遺言に添付する目録の注意点

遺言書に添付する財産目録を自書以外で作る場合は、毎葉(両面に自書以外の記載があれば両面)への署名・押印が必要です。本文の「誰に相続させるか」は遺言者が自書します。この表は整理例で、提出先の所定様式に代わるものではありません。

④ 財産の価値を調べる・必要な資料

評価額と、その根拠になる資料を整理します。

財産別に集める資料

不動産は登記事項証明書、固定資産税の課税明細・評価証明書など、預貯金は死亡日時点の残高証明書や取引履歴、株式等は証券会社の残高資料を集めます。

財産の評価額・所有する割合

遺産を分けるための価額、相続税のための価額、固定資産税評価額は同じとは限りません。土地と建物を分け、共有なら亡くなった人の持分を確認します。

評価を相談する先

不動産の価格の把握は不動産の専門家に、相続税評価や特例の判断は税理士に確認します。

⑤ 財産の分け方を決めて書面にする

誰が何を取得するか、必要な書面を確認します。

このケースの引き継ぎ方

遺言がなければ、子ども2人で取得する財産と割合を話し合います。土地を共有するか、一方が取得して金銭で調整するかも整理します。

財産の分け方を合意した書面

遺産分割協議書を作る場合は、亡くなった人を特定する情報、各財産の特定情報、誰が何を取得するかを明記し、相続人全員が合意した内容を記録します。手続先で実印・印鑑証明書等が求められるため確認します。

協議書が必要か・特別な手続き

遺言に従う場合は、必ずしも遺産分割協議書を作るわけではありません。未成年者・判断能力に不安のある人・所在不明者がいる場合は、必要な手続きも個別に確認します。

⑥ 名義変更・税金の手続きを進める

手続先・必要書類・期限を確認します。

預貯金・不動産・株式の手続先

預貯金は各金融機関、不動産は法務局、株式等は証券会社で手続きを確認します。遺言書・遺産分割協議書・戸籍等の必要書類は、提出先と分け方で異なります。

手続きの相談先

不動産の登記申請の代理は司法書士等に、相続税の申告は税理士に相談できます。争いのある分割交渉は弁護士に相談します。

相続放棄・税金の期限

相続放棄は原則、自己のために相続が始まったと知った時から3か月以内。必要な準確定申告は相続開始を知った日の翌日から4か月以内、相続税の申告・納税は通常、死亡を知った日の翌日から10か月以内です。

相続登記の期限

相続登記は原則、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内。遺産分割が成立した場合の追加の登記義務にも注意します。

参考資料・出典
03遺言書の文例本文・日付・署名・押印
文例の見方

枠を開くと、財産の分け方から日付・署名欄まで通して読めます。

母の遺言書

母の全財産を、子ども2人に半分ずつ残す例です。第2条は、子どもAが先に亡くなった場合に、その持分を受け取る人を決める例です。

遺言書(文例)

第1条 遺言者は、遺言者の有する一切の財産を、子[子どもAの氏名・生年月日]及び子[子どもBの氏名・生年月日]に、それぞれ2分の1の割合で相続させる。

第2条 遺言者は、子[子どもAの氏名]が遺言者より先に、又は遺言者と同時に死亡した場合は、第1条により子[子どもAの氏名]に相続させるとした持分を、[代わりに受け取る人の氏名・生年月日・住所]に遺贈する。

第3条 遺言者は、この遺言の内容を実現する手続きを担う遺言執行者として、[氏名・住所・生年月日]を指定する。

[実際に作成した年月日]
住所 [母の住所]
氏名 [母の氏名を自署] 印

遺言書に添えられる付言事項の文例

家族への感謝や、財産の分け方に込めた思いを伝えたいときに添えられます。下の文例を使う場合は、本文の末尾と日付・署名欄の間に記す形が一例です。

これまで支えてくれた家族に感謝しています。子どもAと子どもBには、互いを思いやり、協力して暮らしてほしいと願っています。

財産目録の記載例を見る

相続手続きで使う財産目録の参考例

亡くなった方:[母の氏名]
死亡日:[年月日]
作成日:[年月日]
確認した方:[氏名]

財産特定する情報事例の金額
自宅の土地[所在・地番・地目・地積・持分]5,000万円
金融資産[金融機関等ごとに明細を記載]合計3,000万円

[ ]には実際の氏名などを入れ、作成日は年月日まで記します。自筆証書遺言では、財産目録を除く本文・日付・氏名を本人が手書きし、押印します。実際に作成する際は、財産の名義と遺留分を確認してください。以前に作った遺言書がある場合は、新しい遺言書と内容が食い違う箇所がないか確認してください。法務省の記載例(PDF)もご確認ください。

詳しい説明・注釈は、必要な項目を開いて確認できます。

財産の分け方と特例

この文例では、土地も金融資産も原則として2分の1ずつ承継する形になります。土地全体を一方の子どもに渡す内容ではありません。具体的な財産目録を添えると、残した財産を把握しやすくなります。

母の財産を2人に等分する意向を表す例であり、小規模宅地等の特例を適用するための条項ではありません。誰が土地を取得するか・居住要件などは別に確認します。

財産の一覧表への署名・押印
  • 財産目録をパソコンで作る場合や登記事項証明書・通帳の写しを添付する場合は、本文とは別の用紙にし、目録の毎葉に署名・押印します。手書き以外の記載が両面にある場合は、その両面への署名・押印が必要です。
不動産・預貯金の特定
  • 不動産は登記事項証明書の所在地番・地目・地積、家屋番号・種類・構造・床面積・所有持分などで特定し、預貯金は金融機関名・支店名・預金種別・口座番号などで特定します。評価額だけの記載では、どの財産か分からないおそれがあります。
共有にする場合の注意
  • 共有を選ぶと、不動産の管理・売却・修繕などの意思決定を調整する必要が生じます。1人に不動産、もう1人に預貯金を残す方法なども、財産額と納税資金に応じて検討します。
万一の備え・手続きを任せる人
  • 受取人が先に亡くなる場合に備える予備的な条項や、手続きを担う遺言執行者の指定も検討します。公正証書遺言を選ぶ場合は、この分け方を希望案として公証人に相談できます。
出典・参考資料

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